湯治の歴史

湯治という行為は、日本においては古くから行われていました。医療の技術が十分に発達していなかった時代、経験的に認知されていた温泉の効能を目的として、温泉につかったり、飲んだりすることで健康回復を試みていたということです。
かつては湯治を行っていたのは一部の有力者に限られていました。一般の人の間でも湯治が盛んに行われるようになったのは、江戸時代担ってからです。これは、道路が整備されたことにより交通の便がよくなったためです。草津温泉などは、梅毒に苦しんでいた江戸の町人が多く湯治に訪れていました。また、農閑期に農民が、蓄積した疲労を癒す目的で湯治を行うようにもなっってきました。

明治以降医学が発達しても、湯治という行為は江戸時代に文化として定着していたため、すぐになくなることはありませんでした。しかし戦後は、生活様式の変化、特に湯治のために長期の休みとらないということにより、湯治を行う文化は急速に廃れていきました。しかし、農閑期の湯治は東北地方の一部でわずかに残るだけですが、温泉に長期滞在してリフレッシュする、という意味での湯治は今なお健在です。

現在では、皮膚病治療などで湯治が行われることが多く、玉川温泉に見られるような、現在の医学では治療困難とされる病気の治癒を期待して、湯治を行う人も多くいます。